蚕(かいこ)の主食として有名な桑。
2013年までは「桑畑」の地図記号があるくらい日本中の農村で見られた桑の木ですが、和服を着る機会が減って生糸の需要が減り養蚕が衰退するにつれて桑の木も姿を消していきました。
この頃は桑の葉も実も、それぞれ人間の健康に嬉しい効果が期待できる健康茶やスーパーフードとして注目されています。ここでは桑の果実についてご紹介します。
桑の実(冷凍)を早速食べてみたい方はこちらから。
「ゆうきの里東和」国産 桑の実 加熱用 冷凍1kg 3,600円(送料無料)
「ゆうきの里東和」国産 桑の実 加熱用 冷凍2kg 5,590円(送料無料)
桑の葉茶について詳しくはこちらから。
1.そもそも「桑」とは?
桑は英語ではマルベリー(mulberry)と呼ばれるの高木、低木の落葉樹で、葉、枝、根、実のすべてをあますところなく利用できる植物です。
2000年以上前の「神農本草経」という生薬について記された中国最古の書物に「桑白皮」(桑の根の皮)に関して、解熱・咳止め・去痰の効果についての記述があります。人間はとても長い間桑のちからのお世話になってきたことがうかがえます。古くから薬草として用いられてきた桑は、今でも桑白皮は漢方薬として使われていますし、ソウハクヒエキスとして化粧品に配合されていたり、桑とは気づきにくい形で身近に存在しています。
日本でも縄文時代の遺跡から山桑が出土していることから、桑が自生していたと考えられています。
「日本書記」に桑の栽培について記されていて、そのころにはすでに養蚕が始まっていたようです。
葉は乾燥させてお茶として使われます。粉茶やパウダーで栄養をまるごととれるものもあります。カルシウムや鉄分などのミネラルを豊富に含み、特にデオキシノジリマイシンという成分は注目を集めています。
果実はビタミンCとカリウムが豊富です。カリウムは体内の塩分排出を促進し、むくみに効果があるとされています。高い抗酸化力が期待されるアントシアニンたっぷりなので、健康に配慮される方には魅力的な果実です。
根の皮は桑白皮という、解熱・利尿・鎮咳のための生薬として漢方で使われる医薬品です。
桑は植物のちからで健康をサポートしたい方からとても注目され、薬膳素材としても取り入れられています。
桑の葉の栄養についてはこちらから。
2.桑の実はスーパーフード
桑の実はクワ科クワ属。つぶつぶ感が似ているラズベリーとブラックベリーはバラ科キイチゴ属、ブルーベリーはツツジ科スノキ属、いちごはバラ科、キイチゴはバラ科キイチゴ族。ベリー系も種類はさまざまなのでマルベリーも仲間に入れてもよさそうです。
真っ黒にしっかりと熟した冷凍果実を食べてみたら、いわゆるベリー系に想像するような酸味はほとんどなく、なつめやプルーンのような甘みが感じられました。
桑の実は熟してくると赤黒くなり、完熟では黒っぽい濃い紫色になります。黒い桑の実は酸味が控えめで甘みがしっかりと感じられるようになります。生の果実は日持ちがしないためほとんど流通しておらず、冷凍やジャム、ジュース、ドライフルーツなどの加工品として販売されています。フレッシュな桑の実は産地を訪れないとなかなか食べることができません。桑の実の旬、収穫期の6月頃、生の桑の実に出会えたらぜひヘルシーなおやつとして生食を試してみてはいかがでしょうか。
ベリー系の果物はどれもビタミンが豊富で、アントシアニンを多く含むものが多いですが、桑の実も例外ではありません。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを多く含み、ベリー類としては鉄分とカルシウムも多めです。
さらに、ファイトケミカルもたっぷりと含まれています。ファイトケミカル(あるいはフィトケミカル)とは、植物が自身を守るために生み出す特殊な成分のことで、これらを活用する健康法としてフィトテラピー(植物療法)が注目されています。有名なところではアントシアニンもフィトケミカルです。桑の実の色からもアントシアニンがぎっしり詰まっていることがうかがえます。
3.桑の実のおすすめの食べ方
期待が高まらざるを得ない栄養成分を含む桑の実。手に入りやすいジャムやジュースなどの加工品で取り入れるのも手軽でおいしいとりかたです。冷凍の実にひと手間加えてジャムやシロップ、焼き菓子を手作りすることもできます。ドライフルーツも食べやすく人気です。
・桑の実の下処理
軸をハサミで切ったり、引き抜くようにしてはずすのがよいとされています。緑色のしっかりした軸は食感が悪くなったり、口の中を傷つけたりするかもしれないので処理したほうがよさそうです。アントシアニン豊富ゆえ、果汁が服につくと落ちにくく、手や口がなかなかの紫色になるので十分にご注意ください。
・ジャム
桑の実を煮てジャムにすればある程度日持ちもするようになります。甘みは白砂糖に限らず、甜菜糖やきび砂糖などお好みの甘みにできます。実の色が赤黒いので、色のついた糖を使っても仕上がりの色に影響が出にくいです。まだ赤みのある実が多いと酸味が感じられるので糖分を多めにしたり、しっかりと熟した黒い実は甘みが強いのでレモン汁を加えて味を引き締めるなど、実の熟し具合をみながらお好みのレシピで手作りするのも楽しいです。
・果実酒
清潔な保存瓶に、下処理した桑の実を氷砂糖とホワイトリカーに漬け込んで果実酒に。
・シロップ
桑の実と氷砂糖を交互に清潔な保存瓶に入れて、氷砂糖が溶けるまでおいておくとシロップの出来上がり。炭酸水で割るとさわやかな飲み物として楽しめます。
・焼き菓子
マフィンやフィナンシェなどに焼きこんでも。果実の程よい酸味が生地の甘みに抑制をきかせてくれます。
4.福島県の桑の実産地
健康・日用品部門で『ふくしま おいしい大賞』を受賞したこともあるゆうきの里東和の桑茶。福島県二本松市にあるこの地区では古くから養蚕業が盛んで、日本有数の繭の産地でした。
いまでは養蚕はあまりおこなわれなくなりましたが、東和地区の特産品は今でもやっぱり桑です。
桑生産者さんをとりまとめて加工と販売を行う【道の駅 ふくしま東和】の佐藤さんに、桑の栽培状況についてうかがいました。
「農薬を使った桑は蚕さまに食べさせることができないため、農薬や化学肥料は仕様しておりません。蚕さまを飼っておらず、桑の葉や実だけを育てている農家さんももちろん同じ条件で栽培しています。桑の実も葉と同様、安心です。現在7つの農場で桑の実を生産しています。」
桑はもともと蚕の餌として栽培されていたため、大切な蚕を傷つけないように桑畑はもちろん、近隣の畑でも農薬を使いませんでした。蚕のための農薬不使用の習慣は自然に地域に根付いています。
昔ながらの安全な桑を、今は人の健康のために役立てられるよう大切に育て、桑畑の再生に取り組んでいます。
6月の1カ月ほどの期間に収穫した完熟果実を冷凍してお届けしています。
ゆうきの里の桑の実は、食べごろの実を摘み冷凍しています。軸はついていますが、軸まで紫色になっていてはずさなくても食べられるくらいのやわらかさです。食感を重視する方は大変ですが軸を取り除いてお召し上がりください。下の画像のジャムはすべての実から軸を外そうとして途中で挫折したものになります。当店では軸も気にならずに食べられるという声が多かったですが、個人差はあるのでお好みで。
手づくりの桑の実ジャムを果物やグラノーラと一緒にヨーグルトにのせて。ヨーグルトにしっかり混ぜると、色合いはアサイーヨーグルトっぽくなります。
⇒いきなり手作りは大変なので、すでにおいしく仕上がったジャムはこちらから。
当店の人気商品、冷凍ブルーベリーとの盛り合わせにしてもおいしそうです。
冷凍ブルーベリーは毎年7月中旬から販売開始です。あわせてチェックしてみてください。
桑の実(冷凍)を早速食べてみたい方はこちらから。
「ゆうきの里東和」国産 桑の実 加熱用 冷凍1kg 3,600円