The AIZU Times ~黒光り…きゅうり?~

お家の野菜室にたんまりと。
この時期キュウリは買ったり頂いたりと、皆さんも沢山消費されていると思います。
会津でも沢山の農家さんが栽培しています。
さて皆さんの知っているきゅうりは、どんな色をしていますか?
きゅうりの表面に出来るブツブツとしたイボには、「白イボ」と「黒イボ」 の2種類があります。
昔は全国的にみても黒イボがほとんどだったそうですが、昭和50年頃に突然主流が 白イボに変わっていきました。
きっとそれは、きゅうりの美味しさの条件は「皮と果肉が同じ硬さである」とされているので一見皮が硬そうに見えてしまう黒イボは好まれなくなったのでしょう。
一方、流行りだした白イボきゅうりは病気に弱く収量が取れなかった為品種改良され、現在よく目にする“黒光り”するきゅうりとなりました。
はて・・・?
この“黒光り”というところに疑問を持って頂きたいのです。
表面が白っぽい粉に覆われたきゅうりを、皆さんは見たことがありますか?
この粉は「ブルーム」といって、ぶどうやブルーベリー等の表面にもうっすらと吹いている果粉です。
ブルームは水分の蒸発を防いだりする役目を持っています。
黒光りする今のきゅうりは、品種改良の末このブルームを失ってしまい、硬い皮を持つようになってしまいました。
良く知らない人ほど「ブルームは農薬だ」なんて勘違いをしてしまいます。
是非皆さんにも知って頂きたいですね。
皮の硬くなったブルームレスきゅうりは、漬物にしても塩による浸透が悪く、塩の抜け方も悪くなります。
生で食べてもゴツゴツして正直あまり美味しくありません。
実はその頃漬物業界でも「これではしょうがない!」と、海外にきゅうりを求める ところも出てきたそうです。
元々、野菜の国内取扱金額ナンバーワンだったきゅうり。
しかし黒光りするブルームレスきゅうりが流行りだした頃から、ナンバーワンの座 をトマトに奪われるようになったのです。
「病気に強いきゅうりを作ろう」から始まった、この脱黒イボ計画は、一番大事な 美味しさを失ってしまうという残念な結果となりました。
今でも時々ブルームのついたきゅうりを見かけますが“みてくれ”が悪いせいか、売れ行きは芳しくありません。
考え直してみてください。
黒光りじゃない!!
ブルームのついた“そのきゅうり”を大事にしていかなければならないんです。

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